ピアノを学ぶ、上手くなる秘訣の1つとして大切なこと、それはピアノの先生の性格や指導スタイルです。
私の子供時代は、ビシバシされて厳しい先生だったけど、私が難曲弾けるくらい上手くなったのはこの先生のおかげなんだなぁ。キツイときもあったけど、感謝でしたね。
しかし厳しいと言っても、ピアノが上手くなるために具体的で的確なレッスンをしているか、時代遅れのような指導をしていないか、教え方、そのスタイルによって分かれてきます。
ピアノの先生との相性はとても大事。ただ従うようにビシバシレッスンを受けるのもしんどいですし、教室に通うのが嫌になったらピアノを辞める選択肢もアリです。
今回は、ピアノの先生の性格がレッスンに受ける私たちにとってどのような影響を与えるのか、性格が悪い先生はどんな特徴がありのか、解説していきます。
【また1からやり直し?】ピアノ先生の完璧主義についていけない
1. 小さなミスタッチも見逃さない「完璧センサー」
当たり前ですが、ピアノの先生は耳が良いです。もしかしたら“完璧センサー”が内蔵されているかも知れません。
ほんの1ミリ指がズレて不要な音が混じってしまったとき、「はい。そこ、もう一度ね」と言われて、「ほんのちょっと不要な音が鳴っただけじゃん!」とぼやきたくなるかも?(笑)でも先生にとっては、この1ミリが「音楽の質」に直結すると考えています。
先生の耳は、どんな音も細かく聞き分けることができる完璧な絶対音感を持っています。なので、誤差ゼロが基本ルールになっているかも知れません。
私みたいな「これでもOKでしょ~」と言う適当な人間にとっては、ビシバシ鍛えられる手ごわい先生になりますね。笑
2. テンポ遅すぎ?いや速すぎ?絶妙なテンポの呪縛
「テンポは一定に保って!」とよく言われますが、これが至難の業です。
一定の速さで弾いているつもりなのに、聴いている側からは急に早くなったり、遅くなったりしているときがあります。これって演奏者側はなかなか気付かないんですよね。
速すぎれば注意、遅すぎてもまた注意。さらに、「気持ちよく歌うように弾いて」と同時に言われると、もうややこしくなります。「一体どのリズムが正解なの?」と頭の中はもうパニックです。
テンポを微調整しつつ、先生の求めているテンポに合わせるまでにどのくらい説教タイムが続くか・・・ここは自分のもっているスキルとの闘いです。
苦難を乗り越えてレベルアップは間違いないけど、いや~しんどいね。笑
3. 「音に表現をつけて」との無理難題
「音に表現ってなんじゃい?」とツッコミたいくらい、よくわからないことを言われます。
イメージとして、音にも喜怒哀楽があるとのこと。明るい曲なら明るい表情、暗い曲なら暗い表情の音を出してみたいな・・・。
ただ音を出すだけでなく、「もっと優しく、でも強く、切ない感じで、だけど力強く」など、先生独特の指導をしてきます。
自分自身も表現力をつけながら弾きつつ、その感情を音にのせる。感情が複雑すぎて頭がグルグルと回るかも知れません。
ぶっちゃけピアノの鍵盤1つ1つに音は出ても表情はありません。てか、生き物ではないですよね(笑)
・・・そんなこと言ったら先生に怒られそうですが、イメージの世界として音にも喜怒哀楽をつけると、聴き手側にもそれがわかり、さらに良い音色を奏でられるとピアノの先生は思っているはずです。
4. フレーズの1音目からリスタート…エンドレス地獄
好きなパート部分を練習して、心の中でテンションが上がっていても「じゃあもう1回、最初からいこうか」と、弾き直しを命じられることがあります。
最初の部分なんてちょっと忘れているし、また間違えたらそこをしつこく練習する結末が・・・。そう考えると地獄ですね。
「いつになったらOKと言われるんだろう・・・」と泣きたくなりつつも、根気強く付き合うしかありません。練習が無限ループのように感じても、いつか終わりがきます。
最初から最後まで通してノーミスで弾けるまで、課題曲クリアはありません!
5. 「表現力を増すため、身体全体で!」のダメ押し
完璧主義な先生は手元だけでなく、「身体全身で音楽を表現して!」と言うことがあります。
顔をピアノの鍵盤に近づけたり、逆に空を見上げるような姿勢でピアノを弾いてみたり・・・。素人から見たらオーバーリアクションのように見えるかも知れませんが、決してそんなことありません。(経験者だから、この気持ちはよくわかります!)
常に身体全体で表現しているのは、オーケストラの指揮者くらいですかね?ピアノも表現力を上げるためには、指揮者のように振舞わないとピアノの良さが出ないと先生は思っているはずです。
完璧主義のピアノ先生は、100%のピアノ演奏を求めます。ときには鬼のように厳しく見えるかもしれません。
でも先生にとっては「最高の演奏を引き出したい」という熱意の現れでもあるよ。「また1からやり直し~(泣)」と少し不満があっても、決して性格が悪いと言うことでもないからね!
しかし何十回も練習してノーミスで弾けたのに「はい。また最初から」と永遠にやらされていたら、それはちょっと危ない先生かも?新しい先生に変更するか、教室自体を変える必要があります。
そんないけずな先生はいないと思うけど、これは嫌がらせだなと感じたら、そのピアノ教室から離れた方が良いかも。ピアノの先生はたくさんいるからね。
ピアノレッスンが厳しすぎると感じたら考えたいこと
ピアノレッスン、思った以上に厳しすぎて「えっ?全然楽しくないんだけど…」・「音楽を学ぶってこんなに大変なの…?」と泣きたくなる気持ちはよくわかります。
厳しいレッスンが好きって人はあまりいないよね。でもすぐにやめるのももったいない!ここは冷静になることが大事だよ。
楽しくピアノを弾きたいのに、なぜこんなに厳しいのか?理由は下記のとおりです。
1. 先生の厳しさの「理由」を知る
先生は、決して意地悪で厳しくしているわけではありません(たぶん)。
ピアノの先生としてお金をもらっている以上、早く弾けるようになってほしいと熱量が強く、ついつい厳しくしてしまう理由もあるのでは?と考えます。
なので、ここは先生の厳しさの理由を理解するためにできることを考えてみましょう。
厳しくされても前向きにとらえる
「ここのリズムは正確に!」としつこくうるさく言われても、これはピアノスキルを上げるチャンスです!
しつこくうるさく言われるってことは、それだけ大事な部分であり、絶対に覚えてほしい気持ちも入っています。大きな壁を乗り越えるための良い叱責ですよ。(前向き。笑)
先生の意図が分かれば、ただ「厳しくしている」ではなく「期待している」と言うこと。「あなたなら絶対にできる!」と思っているはずです。
仕事の場で「叱責」と聞くとマイナスイメージがありますが、そうではなく、乗り越えなければいけない壁をクリアするために「良い叱責」をしていると捉えた方が良いかも知れません。
今の時代、厳しい指導をしたらパワハラと訴える人もいますが、個人的に厳しい指導を受けたからこそ、難易度の高いピアノスキルをアップできたことも事実です。
どこまでピアノが上手くなりたいか?ここでどんな指導を望んでいるか分かれてくるね。
2. 自分の心を守る「休憩術」
厳しい指導をプラスに捉えたとしても、精神的に疲れたときは休息タイムを設けましょう。
ピアノのレッスンや練習は、集中力やエネルギーをたくさん消費します。適度な休憩を挟み、心の健康を保つことが大事です。
休憩術①:練習後にリフレッシュタイムを設ける
練習の後に、必ず休息タイムをとりましょう。
- ご褒美タイムを設定:好きなお菓子や飲み物を準備して、「ここまで頑張った自分にご褒美!」とリラックスする時間を作る。
- 好きな曲を自由に弾いてみる:レッスン中の課題曲とは別に、お気に入りの曲を楽しく弾くことで、気分転換を図る。
先生からの厳しいレッスンに悪戦苦闘しつつ、頑張った自分にご褒美タイム♪厳しいレッスンも「頑張れる範囲」に感じられるようになるはずです。
休憩術② :小さな「成功体験」を積み重ねる
厳しいレッスンを受けると、どうしても「できない部分」に目が向きがちです。
あまり自分を追い込まない方が良いよ。最初は誰だって、すぐにできる訳ないし、繰り返し練習することで上手くなるんだから!
できない部分、できなかったことばかり考えず、できたことに焦点をあてましょう。成功体験を意識して増やしていくのです。
休憩術③:小さな目標を設定する
達成できたときには、自分をしっかり褒めてください!
成功体験を感じるポイント
- 「今週はスムーズに課題曲をクリアできた!」
- 「先生から注意される回数が減った!」
- 「自分で弾いていて、音がきれいだと感じた!」
「できたこと」に着目していくと、自分の成長を実感でき、厳しいレッスンにも前向きな気持ちで臨めるようになります。
厳しいレッスンを受けたからこそ、上手くなった証拠だね。
苦しいと感じることもありますが、それを前向きに捉えると成長の機会となる視点や、休息を取り入れることで、乗り越えることができます。
先生の指導もちょっとだけ理解しつつ、自分のペースで無理なく楽しむことを忘れずに弾いていきましょう。
【モーツァルトになると思ってた?】ピアノを習う子供と親のギャップ
「うちの子は天才かも!」
音楽教室の初レッスンで、先生から「お子さん、リズム感いいですね!」と言われると、心の中ではモーツァルトのような有名なピアニストになれるかも??と想像はしませんでしたか?
でも現実は・・・そんなに甘くありませんよ。
子供の現実:モーツァルトじゃなくて「鍵盤クラッシャー」
子供たちは最初、「ピアノ=おっきいおもちゃ!」くらいの感覚です。真剣に弾くどころか、鍵盤を叩いて遊び始める子も少なくありません。
私も最初は色んな音が出て「キャッキャ」遊んでいました。レッスン中、先生が「ドとレの音を弾いてみて」と言っても、当時は「何それ?おやつ?」みたいな感覚でした。
いや、こんなもんですよ。最初から期待はしちゃいけません。
親の理想:優雅な演奏→それは妄想です。
理想を膨らませると、落胆の気持ちも大きくなります。
例えばですが、親戚が集まるパーティーで、子供が「ちょっと弾いてみるね」とサラッと『エリーゼのために』を披露し、みんなが感動の拍手を送る――そんなシーンを想像してワクワクしていませんか?
そりゃその日のために練習したならできるかも知れませんが、まだピアノを習い始めて1~2年なら、そこまで弾くのは難しいです。いくら少人数の前でも、注目されたら緊張しますし・・・多分間違えちゃいます。。
余裕のある優雅な演奏は、もう少し経験を積まないとできないと思います。
進むほど増えるギャップ
1年経っても、親が想像していた優雅な演奏はまだまだ遠い未来ですよ。
- 「なんで今も片手ずつ練習するの?」
- 「両手で弾けるようになるのはいつ?」
- 「いつになったらバイエルを卒業できるの?」
などなど、1年くらいでショパンの曲が弾けるもんだと勘違いしていませんか?
それは特別な才能を持っている天才ができることです。99%の凡人は1年以内にショパンの曲は絶望的。特にエチュードとかの難曲は大人になっても攻略が難しいのが現実です。(私もさすがに弾けません。)
「うちの子は才能がある!」と過剰なプレッシャーをかけ続けたら、お子さんがぽつりと一言・・・
「ピアノよりサッカーがしたい…」
こんなこと言ってきたら、お子さんのピアノ歴が1年で終わってしまいますよ。
それでもピアノを続ける意味
ピアノは子供でも大人でも、誰でも気軽に習うことができる音楽代表の習い事です。
将来はピアニスト!じゃなく、ハラミちゃんやよみぃさんのようにYouTubeやストリートピアノで披露する道もあります。てか、ピアノを習っている=ピアニストでなくても良いんじゃないでしょうか?
ピアノの練習を通して、子供たちは集中力や忍耐力、失敗から学ぶ力を養っていきます。たとえ途中で「ピアニストへの道」が閉ざされたとしても、音楽の楽しさや努力や達成感は、確実に心に残ります。
親御さんはこんな感じで見守ってください↓
「ピアニストにならなくても、楽しく続けてくれればそれでいい」
自分らしく、自由に楽しくピアノを続けさせてあげてください。
ピアノの先生は、厳しいかユルいか、性格によって生徒に与える影響は大きいです。
完璧を求める先生は生徒にプレッシャーを与え、ストレスの原因となることもあり。特に、親が子供に高い目標を設定しすぎると、その期待に応えようとするあまり、楽しむことを忘れてしまうこともあります。
継続できるコツって、苦にならないこと、本人が進んでやること、楽しんでやることが長続きするんだよ。
リズムや表現力に磨きをかけるには、きっちりとした指導で学ぶことも正解です。基礎を徹底的に学ぶことに損はないですからね。
しかし、ちょっとキツい言い方だったり、人格否定するような発言をする先生なら別。相性の基本は性格が大きく関わっています。どうしても話が合わない、納得できない指導でモヤモヤするなら、先生をチェンジしましょう。
本当に性格の悪い先生は論外ですが、厳しい指導で一生懸命教えてくれる先生は、音楽を真剣に向き合っている専門家。音楽を1から丁寧に学びたいなら、ちょい厳しめの先生でも良いかも知れませんよ♪